ジーク(主役メカ)

人間のキャラが決まれば、次に決めるのが主役メカだ。どんなメカが良いか?
ゾイドに決まっている。そのための漫画なのだ。

が、しかし、ここで大きな問題が発生する。
ゾイドは、巨大なロボットである。
それが問題なの?と問われれば、大問題なのだ。
巨大ロボットといえば、昔からアニメの世界では多くの名作・傑作が生まれたジャンルだが、考えてみて欲しい。巨大ロボット漫画というジャンルの作品をいくつご存じだろうか?(アニメとのタイアップは除く)そのなかに、大ヒットしたものはあるだろうか?残念ながら、俺はその例を思い出せない。
巨大ロボというモチーフは、本質的に漫画向きの素材ではないのである。

理由はいろいろ考えられるが、なによりも、巨大なロボットを描くには漫画の紙面では小さすぎるのだ。巨大なものを、巨大に見せるためにはどうしても大きなコマを使う必要がある。そうすると、必然的にページ数を食う。ページ数を消費すると、ストーリーを前に進めるのが遅くなる。結果、なかなかドラマが前に進んでくれない・・・。
他にもいろいろあるのだが(作画に手間がかかる、等)おおむねこんな感じである。

そこで上山の考えた策というのが、
「主役メカは巨大ではない」
という、割とミもフタもないものだ。
いつも主人公の隣に寄り添える、相棒。
感じとしては、ガンダムではなくドラえもんのテイスト。
結果生まれたのが、赤ん坊のT−REX型ゾイド・ジークである。

ジーク、最初のイメージスケッチ。完成型とはずいぶんデザインが違うが、基本的なイメージには大きな変化はない。

従来のゾイドのイメージを大事にする人からすれば、まったく冒涜とも言えるメカ設定なのだが、これは、たとえ戦闘のない時でも、同じ画面の中に主人公と主役メカが収まっていられる唯一の解決策なのだ。
月に一度の連載、一回でも主役メカの出ない話を描くわけには行かない、というプロ根性の導き出した結果である、と一応言い訳しておく。

 ここまで書いて、はたと気付いた。
ゾイドは、アニメとのタイアップ企画である。であれば、今までにヒットした巨大ロボットアニメ的な方法論を採るという選択肢もあったはずだ。
が、この時点での俺は、とにかく漫画として面白いものを作ると言うことに徹底してこだわっていた。
どうやらこの時点ではまだ、アニメが作られるということを信じていなかったのである。

(99年10月)

続く          戻る
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