声優さん

 アニメーションに最後に命を吹き込む要素は、音楽、そしてである。
そんなわけで(?)7月末、都内某所で主役二人の声優オーディションが行われた。

 放映までひと月しかないと云うときになってようやく主役を決定するというのだから、いかにきついスケジュールで造られているアニメであるかが伺い知れる。
放映直前になっても、アニメ誌に情報がほとんど公開されなかったのは、別に情報操作でもなんでもなく、公開できる材料がホントになかったからなのである。

 さて、オーディション。
上山も、原作っぽい立場の人なので、一応審査員の一人として参加したわけである。
が、もちろん声の演技に関しては全くの素人。じゃまにならないように隅っこで小さくなっていようと決めていた。始めのうちは
 あまり広いとは言えないスタジオに足を踏み入れると、そこは待合室で、オーディションに参加する人たちが大勢ごった返していた。もちろん全員声優さん。部屋に入った瞬間、俺の耳に飛び込んできた挨拶の言葉は
おはようございます!」。
夜なのに。
うわ、芸能界!?Tシャツにサンダル履きの俺様ってば、ひょっとして場違いですか?
そんな気持ちが頭をかすめつつも、他の審査員&スタッフの人たちのいる部屋に案内される俺。
いろんな人から名刺を受け取るも、渡せる名刺のない俺は例によって肩身の狭い思いをしていたわけだが、まあ初めての頃よりはずいぶん慣れた。

 加戸カントクとお会いするのはこれで2度目だが、助監督をつとめているはばらのぶよしさんとここで初めて遭遇。俺が高校生の頃はまっていたアニメ「マシンロボ」を造った人が俺の目の前に!さらに、がっちり握手!漫画家やってて良かったー!
キャスティングマネージャーの吉田理保子さんにも名刺を頂く。思わず「吉田理保子さんて、あの吉田理保子さんですか?」と聞いてしまった。あの時は失礼しました。
その後、心の中でまいっちんぐとつぶやいたことは、みんなには内緒だ。

 こんな具合に俺がただのオタクっぷりを発揮しているうちにオーディションスタート。さすがにみんな上手い。
俺もテレビで何度もその声を聞いたことのある人も参加していたりするわけである。こうなると、もう技術云々ではなく、結局誰がそのキャラクターのイメージに近いか、という問題となる。

 選考の結果、バン役には岸尾大輔さん、フィーネ役には大本眞基子さんが決定。
その演技は、テレビの方で確認していただきたい。

 ともあれ、これから一年間(予定)、お二人にはがんばっていただいて、番組ともどもブレイクしてもらいたいものである。そうすれば、審査に参加した俺としても自慢になるし。
ここまで読んだ人は、「なんだ、おまえはただオタクとして楽しんでただけじゃないか」とお思いになるかも知れないが、それは気のせいです。

(99年10月)

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