物語の方向

とにかく考えてみてくれ、とゾイドに関する資料を手渡されて数日。詳しく知ると、このゾイドという世界、なかなかに魅力的なものを多くはらんでいることが分かってきた。
地球以外の惑星でのお話であること、つぶさに見るとなかなかに洗練されたそのデザイン、なにより機械であり、生命体でもあるという設定。
生命というものについて(多くのSF好きがそうであるように)長いこと考えてきた身としては、その当時の公式ストーリーではあまり深く考察されていなかった「機械生命体」というものについて、ヒマさえあれば考えはじめてしまったのである。
こうなるともうダメだ
「この世界は、俺ならこう描くな」が、
「俺が描く!俺しか描けねー!
になるのに、そう時間はかからなかった。

 その時点では、実際過去に築き上げられてきたゾイドの公式ストーリーを全て理解しているわけでは、むろん無かった。(今でもそうだが・・)
だからこそ、よく言えば自由に、悪く言えば好き勝手にゾイド世界を解釈することができた。

なにより、発表する雑誌はコロコロである。読者は小学生。10年前に起こったゾイドブームのことなど知るはずもない。そんな今の時代の子供たちにアピールすることが俺の仕事なのだ。だから昔からのゾイドファンを納得させつつ、新しいものを・・なんて事はこれっぽっちも考えていなかったのである。
それは雑誌の意向もおおむね同じではあったのだが、そのために後の会議で大いにもめることになろうとは(ちょっとは予想したけど)、まだ知る由もなかったのである。

(99年10月)

続く          戻る
inserted by FC2 system