第一話

漫画の方の連載がようやく4回を数えた9月4日、アニメ「ゾイド」の放映が開始された。

 漫画の方を読んでくれている人はおわかりだと思うが、第一話に関してはほぼ漫画と同じ展開である。
が、大きく違う点もいくつかある。
第一話でコマンドウルフやシールドライガーが登場する点は、視聴者に「ゾイド」をアピールするためであることは容易にご理解いただけると思う。
漫画に登場しない「盗賊」というファクターも、多くのゾイドを登場させるための、作劇上の要請で生まれたものである(と思う)。

 さらに大きく違う点は漫画では第3話で登場するフィーネが、この第一話の最後に早くも登場してしまうことである。代わりに、漫画ではすでに登場済みのライバルキャラ・レイヴンは、アニメでの登場は少々遅れることになる。これも、アニメと漫画のストーリー構成の違いによるものだ。

 が、実を言うと、漫画でもネームの第一稿・・つまり先に述べた大会議で提出したネームでは、第一話のラストでフィーネが登場していたのである。
最後のバンの台詞、
「おまえの可愛い弟・・・じゃ、なさそうかな・・少なくとも・・」
という台詞も、その時には漫画の中で使われる予定だったのだ。
結局諸般の事情で漫画では使用されなかったことが、アニメの方で実現したわけである。
捨てざるをえなかったものが、こうして別の形で生かされると言うのは、作家として非常に嬉しいものである。


ネームのさらに前に描いた、ゾイドエッグから生まれるフィーネのイメージ。完成型とはだいぶ違う。

 さて、第一話で流れたOP。スケジュールの厳しい中でよくあれだけのものを仕上げてくれたと、スタッフには感謝の言葉もない。って、別に俺のために造ったわけではないんですが。
ともかく、初めてビデオが届いたその日だけで10回以上繰り返し見てしまった(さすがに、OPだけだが。本編は、2回)。自分のキャラがテレビ画面で動くことがこんなに嬉しいとは思わなかった。
 自分のキャラ・・。そう、OPに登場する人間のキャラクターたちは、その原案は全て俺の手によるものなのである。まだ漫画にもアニメにも登場していないキャラも何人かいるので、彼らについてはアニメに登場してから、追い追い語っていこうかと思う。

 それと、実を言うと第一話については、アフレコの現場を見学させていただいている。
第一話のEDを見ると、もちろんフィーネ・大本さんの名前がクレジットされているわけだが今回フィーネの台詞は最後に「あ・・・」と一言だけ。
さぞかし手持ちぶさただったろうな、とお思いになるかも知れないが、実はこの第一話についてだけは、ジークの声も大本さんにやっていただいているのである。
ヒロイン役のオーディションに合格したというので来てみれば、初日にやらされたのは主にケモノの声。さぞや面食らったことであると思う。大本さん、お疲れさまでした。

(99年10月)

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